2012年1月9日

デイブレイカー

歳もとらず、病気にもならず、それどころか癌さえも治る、そんな吸血鬼感染症。ただし、人間の血を飲み続けなければならない。そんな感染症が蔓延して、人間と吸血鬼の人口比率が逆転してしまった世界が舞台。

人間は数少なくなり、血液不足になってしまう。長い間、人間の血を飲まなかった吸血鬼は、サブサイダーという醜く凶悪な怪物になってしまう。血液不足を打開するために、吸血鬼たちが考え出したのが『人間牧場』。人間を飼う、というより、血液製造機械として活用するというイメージ。主人公は、そんな世界で代用血液を研究している血液学者で、吸血鬼。

映画の話題はひとまず置いておく。

もし、こんな感染症があったとして、感染したいかどうか。映画中、末期癌に冒された人が感染して不老不死になっていた。そして、感染したことを感謝している風だった。その気持ち、分かる。たとえ他人の血を飲まないと生きていけなくなるとしても、いま目の前にある死の恐怖のほうが勝るに決まっている。俺なんて、中学生くらいから石仮面願望(ジョジョ)あるしUryyyyyとか。

以下、ネタバレ。



この映画のミソは、不老不死(=吸血鬼)を治療可能な病気ととらえたところ。「不老不死」が「治療」によって「非不老非不死」になるなんて、凄い着眼点だよホント。これは現代医療に対するインパクトのある問題提起だったと思う。不老不死なんて、古今東西、人間の夢のようなものだというのに、
実現してみたら夢のような世界になったわけではなく、人々は相変わらず権力は欲しがるし、上司には逆らえないし、コーヒーショップでは店員と揉めてしまうし、果ては強奪までしてしまうし……。

血液を石油などのエネルギーに置き換えて考えても良い。ほぼ無限にあると勘違いしているうちに底をつくはずだが、代替エネルギーの開発には、人類の存亡だけではなく企業の思惑も絡み、自分たちの未来が懸っていても、自分たちの利権も些事と切り捨てることはできない。

B級映画との評もあるけれど、なかなかどうして、骨太のテーマを持った映画でしょ、これは。

6 件のコメント:

  1. この映画 好きです・・・
    というか 吸血鬼映画 好きです。

    社会というものを作っていくと なんら人間と変わんなくなっちゃう・・・
    ハリーポッターの魔法使いの世界ですら(笑)

    人間 個、というより 社会学って 意外と重要なのかしらん。

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  2. 同じく「不死の世界」を扱ったものとして、「未来惑星ザルドス」を思い出しました。

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  3. >匿名さん
    俺も吸血鬼映画が好きなんですよねぇ。
    『インタビュー・ウィズ・バンパイア』は、俺の中での名作です。
    あれも、社会を作って、受け容れるとか排除するとか、そういう争いがありましたもんね。
    結局、人間が何かに変化したり特殊能力を身につけたりしても、
    中身そのものは大して変わらないってことなんでしょうね。

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  4. >shishitou43さん
    その映画、初めて知りました。
    たぶん、この島には置いていないだろうなぁ……。

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  5. うえの匿名投稿 は あじさい でした。

    なんか ここ初めてで 匿名になっちゃいましたw

    インタビューウィズヴァンパイア も大好きです。w

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  6. >あじさいさん
    なぜか匿名にされたんですねw

    インタビューは名作だと思っています。
    中古DVDは持っていますが、ブルーレイが欲しいくらいです。
    吸血鬼系では、俺はこれが一番好きです。

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