外科医は、パジャマのまま駆けつける。
内科医は、白衣を羽織って駆けつける。
精神科医は、顔を洗って寝癖を直して、白衣を羽織ってゆっくり参上。
さて、白衣の話だ。精神科では一時期「脱白衣運動」というのが流行ったようで、今の60歳前後の精神科医には白衣を着ない先生たちがいる。俺自身は白衣を着ないことには反対という立場だ。錯乱した患者は、いわば見ず知らずの外国に放り込まれたようなものだ。もしそうなったら、あなたならどうする?
まず助けてくれそうな人、例えば日本人ぽい顔を探したり、制服警官に頼ったりするはずだ。救助者の目印は分かりやすいほうが良い。幻覚妄想による恐怖に支配された人に、
「ほら、安心しろ、俺は医者だ、助けに来たぞ、任せておけば大丈夫だから力を抜け」
と、白衣を着た医師が声をかけてあげることで、まずは少しだけでも安心させる。ノンバーバル(非言語的)なメッセージとしての白衣なので、カッコよさにこだわりはない。
下記のニュースのようなカッコいい白衣は、若手が着ていることが多い。ただ、このニュースは誤解して伝えている部分がある。こうした新しい白衣は、なにもカッコよさだけを追求したわけではない。医師らにアンケートをとり、かなり機能を重視して作ってある。例えば、ポケットの数、形、大きさ、口の向きなどが、そこらの白衣とはぜんぜん違うようだ。だから、白衣に物を入れることの多い若手が着たがるのも頷ける話なのである。
以前、コネタで「白衣のセレクトショップ」なるお店の情報をお届けしたことがある。本物のお医者さんに向け、あらゆるブランドから集めたかっこいい白衣を販売する、一風変わったアパレルショップだった。
そして、今回も変わり種。2008年3月よりスタートしている「Classico(クラシコ)」は、「なぜかっこいい白衣がないのか?」という疑問から誕生した白衣限定のブランドである。コンセプトはズバリ、「かっこいい白衣を着よう」。
そんな同ブランドの商品展開には、大きく分けて2つの柱がある。まず、最大の売りは自分の体型に合った白衣を製作してくれるセミオーダー。一方で既製品の販売も行われているのだが、この場合は既製品に自分の名前やロゴマークなどの刺繍を入れて購入する人が多いそうだ。
そして、「Classico」にはこだわりがある。これは、同ブランドの白衣に共通した特徴とも言える。とにかく、シルエットが細身。テーラードの技術をベースに、注文を受けてから国内の工場で1着1着を縫製するという。明らかに、従来の大量生産型の白衣とは異なる製造方法が取られているようだ。
「細身でスタイル良くフィットするシルエットでも、動きやすい。そして着ると背筋が伸びるようなシルエットになるよう、パターンを引く時には試作品を何度も作って制作しています」(同ブランド・担当者)
カッコ良さを追求して出来上がる、スタイリッシュな白衣じゃないか。ここまで来ると、お医者さんしか着ないのは勿体無い気がするのだけど……。
「医師以外でも、研究者、教授、保健室の先生、アパレルのデザイナー、鞄の職人、時計の修理職人、バーテンダーなど、様々な職種の方にご購入いただくことがあります」(担当者)
何かを極める“匠”のような職業の人が、「Classico」の白衣を求めることが多いという。最近では、多くのおしゃれ理容師さんが白衣を購入して行った。
ちなみに同ブランドをオーダーする手段は、ホームページ(http://www.clasic.jp/)からのみ。ここで、私には一つだけ疑問が。衣服で最も重要な点は、個人的には“サイズ感”だと思っていて。実際に手に取ってみたいし、やっぱり買う前に試着はしてみたい。そういったことは、このブランドでは許されない?
「通常は、表参道の事務所に事前予約をすれば試着することができます。毎日、色々な方が来られますよ」(担当者)
そうですか、安心しました!
そんな「Classico」によるコレクションの中で、特に人気の白衣を教えていただきました!
「メンズでは、一番スタンダードな『クラシコテーラー』(税込み19,800円)が人気です。こちらは米国におけるIDA賞でも、メディカル部門で最優秀賞を受賞しています。レディスだと、最近では『クラシックコート』(税込み17,800円)です。ダブルブレストでエレガントな雰囲気ながら、誰でもおしゃれに似合ってしまうところが人気です」(担当者)
他にも、ドラマ『MR.BRAIN』で綾瀬はるかが着用していた『ヌードフィットドクターコート』(税込み16,800円)などが人気。実はこのブランド、『蜜の味』(フジテレビ)や『DOCTORS』(テレビ朝日)など、数々のドラマに衣装提供をしているという。もしかしたら気付かず、それらの白衣を我々は目にしているんだろうな……。
また、かっこいい白衣を着ることによる効果は確実にあるという。その辺りは、購入者からの反響に表れている。どのような声が寄せられているかは、以下をご覧ください!
「着るだけで仕事のときにめちゃめちゃテンションが上がる!」
「プレゼントとしてもらってとても嬉しかった!」
「患者さんやスタッフからかっこいいと言われた」
「初めて学生から写メを撮られた」
どうですか? ユニフォームがカッコ良ければ、自ずと士気も上がるに違いない。
「大きな病院の勤務医は基本的に白衣は支給されるのですが、それで満足できないドクターは自分でネットやカタログで購入をしています」(担当者)
なるほど。こちら側(患者側)の立場としても、キリッとしたお医者さんに診てもらった方が頼りがいがあるというか、安心感がある。
だからお医者さん、どんどんカッコ良くなってください!
http://www.excite.co.jp/News/bit/E1328599488329.html?_p=3
自分がかつてお世話になった先生2人が、どちらも
返信削除白衣は着ない派でしたね。
(今は60代と50代になられてるはずなので、
ちょうどその世代ですね)
確かに、白衣性高血圧なんていうのもありますから、
白衣を見ると緊張する患者さんのために…っていうのが
着ない理由なのかな、などと思ってました。
でも、逆に白衣を見ることで安心する患者さんもいるのですね。
なかなか難しい問題かも知れません。
大学の保健管理センターでお世話になっていた先生でしたが、
春の健康診断のシーズンで普通の学生でいっぱいの時だけは
白衣が部屋のハンガーにかかってました。
「先生が白衣なんて珍しいですね」と言うと、
「今の時期だけは、トイレに行く時、
白衣着てないと『この人、誰?』って思われるので…」と
おっしゃってましたw
>匿名2013年11月18日 14:03さん
削除白衣の扱いというのは、あれこれ考えだすとなかなか難しいものがありますね。俺も前病院の院長から、
「先生、白衣なしでもいけるほうだよ」
と言われたのですが、やっぱりポケットが便利なもので^_^;