2012年8月5日

母の財布から金を盗んだ話

小学生のころ、母の財布から2千円か3千円かを抜き取ったことがある。財布の中には千円札が7、8枚は入っていたのでバレないと思ったのだ。実際、そのことを母から問い詰められることはなかった。

実は、母は気づいていた、というのは大人になってから知った。

盗った俺は後味が悪い。後ろめたさが付きまとい、母とうまく話せない。もう二度とこんな思いをするのは嫌だと後悔して、それ以来、二度と親の財布から金を盗むなんてことはしなくなった。

俺が20歳を過ぎて、ずいぶん昔に財布から金を盗んだということを告解し、後ろめたくて仕方がなかった、だからこうやって白状するよと話したとき、母はこう言った。
「知ってたよ。でも、あんたの性格なら、注意しなくても、というか、注意しない方がかえって効果的だと思った。今あんたの話を聞いて、やっぱり間違っていなかったと分かった」

「子どもを見て育てる」って、きっとこういうことじゃないのかなと、我が親ながらそう思う。

2 件のコメント:

  1. 孫悟空が観音様の手のひらを飛び出せなかった話を想います。
    この親にしてこの子あり!

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    1. >佐平次さん
      言われてみたら確かに孫悟空みたいです……。

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