2015年2月16日

人は無意味なランダムの中にパターンを見出してしまう 『たまたま 日常に潜む「偶然」を科学する』

コインを24回投げて表(○)か裏(●)かを記録すると、

○○●○○●○○●○○●○○●○○●○○●○○●

こういう結果になったとする。さて、次に投げて黒が出る確率はどれくらいだろう? もちろんここではコインの製造工程での不具合などは考えないし、コイントスをする人の技量も考慮に入れない。

答えは当然、2分の1である。

でも、なんとなく表(〇)が出そうな気がする。根拠はないし、それが間違った感覚であることが分かっていても、そこに何らかのパターンを感じてしまうのが人間の脳というものである。

では、コインを24回投げた場合に、以下の3つのパターンのうち、一番出やすいもの、一番出にくいものはどれだろう?

A ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ 表だけ24回
B ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● 裏だけ24回
C ●●○○●●○●○○●○●○○●○○●○●●○● それぞれ12回ずつ

この場合、どの3つも確率は同じである。しかし、感覚的には、AとBが起こりにくく、Cは起こりやすそうに見える。


上で述べたようなことについて、本書では素晴らしい警句を記してある。
ランダムな変化の中に整然としたパターンがあっても、パターンがつねに意味を持っているわけではない。そして、意味が存在する時にその意味を知ることが重要であるように、意味がない時にそこから意味を引き出さないようにすることも同じくらい重要である。
これは医療に携わる者として、しっかり身につけておかなければいけない姿勢でもある。

そして、本書を読むと、こういう確率・統計の話がもっと身近に感じられるはずだ。

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