2015年4月10日

友達の数は何人? ダンバー数とつながりの進化心理学


進化心理学という分野が面白そうだったので読んでみた。

興味深い話、研究結果の紹介はたくさんあった。
たとえば男性より女性のほうが色覚に敏感だという話。これは男性が赤、青、緑という三色視であるのに対して、女性が四色視、中には五色視をしている人もいるそうで、なるほど確かに女性のほうが服の色の組み合わせや化粧のわずかな違いに気づきやすく、またこだわりも強いことが多い。著者のダンバー教授も読者に対して率直に、
「外出のしたくが遅い妻にいらいらしたことはないだろうか?」
と問いかけている。これを書きながらふと思ったのだが、この問いは明らかに男性に向けたものであり、やはりこういう科学エッセイを読むのは男性が多いのだろうか?

残念なことに、いずれも参考文献が記載されていない。これは邦訳の問題かと思ったが、巻末の解説でも「科学誌や日刊紙の連載記事を編纂したものなので、原著にも参考文献はついていない」と書かれているので、どうやらそういう本らしい。

これは正確には進化心理学の本ではなく、オックスフォード大学の進化人類学教授のロビン・ダンバーによる科学エッセイである。本書の一部で確かに進化心理学に触れられているのだが、ちょっと物足りない。

トンデモ本ではなく、オックスフォード大学の教授という権威ある著者による科学エッセイなので、興味のある人はどうぞ。

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