2001年9月11日のテロ以前は、あまり深く考えることもなくアメリカ礼賛主義であったが、その後の対テロ戦争という大義と、アフガニスタン爆撃やイラク攻撃などを見て、アメリカはちょっと危ない国なのではないかと感じ始めた。素晴らしいところがたくさんあるのは確かだと思うけれど、どうもそれだけじゃないぞ……、という警戒感。
一般人を巻き込んだテロへの報復が大義として成り立つのなら、アメリカの首都ワシントンだって他国から報復攻撃を受けるだけの充分な資格があるではないか。ベトナムを見よ、ハイチを思い出せ、アフガニスタンやニカラグアやパナマでやったことをふり返れ。というのが、これまでアメリカがやってきたことを「大義」という色眼鏡をつけずに見据えたチョムスキーの、ちょっと過激だが、確かに一理あると思わせる意見。
今のところ、俺は安保法案に対して消極的賛成派だが、本書は賛成か反対かに関わらず、安保法案に興味がある人であれば立場を問わず読んでおくべき一冊だろう。平和憲法云々の議論は置いといて、アメリカと超親密な蜜月関係を築いて保つことが本当に良いことなのかどうか、考えさせられること請け合いである。
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