2016年9月14日

相手の表情を読むのが苦手な人について

放射線画像を読むのには、多少の我流・個人差はあるかもしれないが、大まかな作法がある。その作法に則れば見落としがないわけではなく、知識や経験が大切で、何より「最低限のセンス」が必要だと思う。このセンスは、一部の医師だけが持つわけでなく、「一部の医師だけが持たない」ものである。

おそらく最低限のセンスを持たない人は、絵画も苦手である。医学部の組織学や病理学でのスケッチも下手。病理スライドを見ても、どれも同じに見えてしまう。こういう人は、皮疹の鑑別も上手くできない。

これは実は俺のことで、俺も「最低限のセンスを持たない」うちの一人である。理論がしっかりしているはずの心電図も不得手で、脳波に至っては「極端な異常」なら拾えるレベル。
こうした視覚系の検査に比べて、血液生化学検査は数値がはっきり出てくるので、地道に追えば確実に読めて好きだ。

相手の表情を読めない人というのは、きっと俺が放射線画像や病理スライドを前にした時のような感覚なのだろう。体系的に読む作法を身につけ、知識や経験を積み、多少は読みとれるようになったとしても、「最低限のセンス」の欠如で、他の多くの人と比べればきちんと読みとれているとは言い難いのだ。

すべてを完璧にできる医師はいない。だからこそ、医療は各科・各医師がカバーしあうことで成り立っている。同様に、すべてを完璧にできる人はいない。互いにカバーしあうのが大切なのは、社会でも家庭でも、どこに行っても同じである。




画像が苦手な俺でもきちんと追える数字で見える血液検査を、もっと勉強したいと思って購入、未着、未読。すごく良い本らしい。

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