キネシクスとは、相手の体の動きからいろいろな感情を読み取ったり、嘘をついているかどうかを探ったりする技術である。主人公のキャサリン・ダンスは、このキネシクスの天才である。
今回のテーマはネット。ブログやMMORPGの話がふんだんに出てくるし、ブログコメントを訳すのに「バカかw」と「w」を使っているのが、翻訳者は大胆かつ優秀だなと思った。ただ、時どき出てくるダジャレのようなものが、どうしても上手く訳せず、元の英単語のルビがふってあったのは少々残念。外国語のダジャレやジョークを「もとの言語に頼らない翻訳文」にするのは超のつく高等技術なので仕方ないか……。
翻訳の話はともかくとして、本作のミステリ要素部分は充分に面白かったし、主人公をとりまく人間関係や恋模様も気にはなるのだが、全体的に著者が息切れしてきている感があり、このシリーズを読むのはここで打ち止めにしようと思う。
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