たくさんの医師の話を聞いて気づいたのが、あらゆる規模の病院の、多くの医師が、
「研修医は指導医から指導を受けるだけでなく、看護師などのスタッフからも学ぶことが多い」
と考えているということ。講師陣も同様のことを思っているようだった。
そういうことなら、研修指定病院には「看護師、放射線技師、検査技師、事務職員、看護助手等に指導スタッフが各一名いること」という配置基準を設けて、「指導スタッフ講習会」を開催すべきではなかろうか。
「指導するのは上級医だけじゃないよね」
「うん、看護師も看護助手も、事務職員からも、いろいろなことを学べる」
「そういう人たちにも、研修医の指導や評価をお願いしよう!」
みんなそう考えているのに、そういう職種向けの「指導・評価」の講習会がないのはおかしい。
研修指定病院に指導スタッフの配置を義務づけ、また講習会を開くことの利点は、スタッフに「研修医を育てる」という意識がより強く芽生えることと、研修医が「自分は医師だ」という驕りを捨ててスタッフに対して謙虚になれること。
講習最後のアンケートに一応書いてはみたものの、どうせ実現はしないだろうな……。でも、厚労省は本気で「指導スタッフの配置と講習会」を検討してみませんか?
臨床研修病院の指定基準
第一 施設、人員等に関する基準
1 一般病床約300床以上、又は年間の入院患者実数が3000名以上であり、かつ、病床数及び患者実数が診療各科に適当に配分されていること。
2 内科、精神科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、ひ尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻いんこう科、及び放射線科の各診療科がそれぞれ独立して設置されていること。
3 常勤医師が医療法上の定員を満たしていること。
4 2の各診療科について、それぞれ適当数の常勤医師が配置されていること。
5 2の各診療科毎に十分な指導力を有する指導医が配置されていること。
6 年間の剖検例が20体以上であり剖検率が30%以上であること、又はその他剖検に関する数値が相当数以上あること。
7 救急医療の研修が実施できること。
8 臨床検査室、放射線照射室、手術室、分娩室等の機能を示す数値が相当数以上であること。
9 研究、研修に必要な施設、図書、雑誌の整備及び病歴管理等が十分に行われていること、かつ、研究、研修活動が活発に行われていること。
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