2018年1月24日

アメリカTVドラマ『ライ・トゥ・ミー』のモデルとなったエクマン博士による徹底的な表情の研究 『顔は口ほどに嘘をつく』


この本は決してエセ科学やトンデモ本ではない。著者のポール・エクマン教授は、アメリカドラマ『ライ・トゥ・ミー』の主人公カル・ライトマン博士のモデルとなっており、「世紀の傑出した心理学者100人」にも選ばれているのだ。

エクマン教授は顔の表情を研究するために、40種類以上とも言われる表情筋を一つ一つ動かせるようトレーニングをし、また自分では動かせない筋肉には電極針を刺して強制的に動かして記録するという荒業までもやった。そうして筋肉の組み合わせによって作られる1万以上もの表情を記録し、FACS(表情記述法)というものを考案・出版した。これは現在でも世界中で、表情に関連する精神医学や犯罪捜査の分野で幅広く利用されている。

本書は読心術のようなものではなく、顔のパーツそれぞれの微妙な動かし方から、悲しみや「怒り、嫌悪や軽蔑といったものを感じ取り、見抜き、そこからさらにそういう表情を見た時にどう対応するか」といったところにまで踏み込んでいる。

冒頭に14枚の写真が提示され、それぞれ1秒以内、ほんの一瞬だけ見て、その写真の表情が示す感情を、怒り、恐れ、悲しみ、嫌悪、軽蔑、驚き、喜びに分類するテストがある。5枚以上が正解ということはほとんどないらしい。俺は7枚正解だったが、それが精神科医という職業柄なのか、それとも生活の中で培われたものなのか、あるいは単なるマグレ当たりなのかは分からない。

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