ネタバレばかりなので、これから読む人はここでストップ、さようなら。
主人公の中年男・田浦は、大腿骨を骨折して入院していた病院で、見知らぬ女性と「声だけのセックス」をする。翌朝、彼女が実は老婆であったことを知って愕然とするのだが、そこから田浦の不思議な物語が始まる。なんとその女性・睦子が月日を追うごとに若返っていくのだ。
40代の睦子と逢瀬を重ね、20代の睦子と肌を合わせる。精神的には老齢なので、とても円熟味のある40代、20代である。田浦は睦子の美しさだけでなく、こころにも惹かれていく。さて、この睦子がついに13歳くらいまで若返ってしまうのだが、それでも二人はやはり抱き合う。40代後半の男と、13歳くらいの少女のセックスシーン。かなり背徳的エロ描写なのだが、なぜか純愛を感じてしまう。
そして、睦子はついに幼女にまで若返る。触れ合うことはできても、抱き合うことはできても、当然、セックスはできない。田浦の理性が邪魔をして、幼女姿の睦子には性的な興奮が起こらない。それでも、彼らは愛撫しあう。
声だけのセックスで始まった二人の関係が、実際に肌と肌を合わせ、精神的に惹かれあい、やがて肉体的に隔絶されてしまう。設定自体は中年男と若返る女性のセックスなのだが、根底にあるテーマは「老いたり病んだりしたパートナーとの性生活」なのかもしれない。
読後感の良い純愛エロ小説であった。
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