2011年12月9日

内柴問題は、擁護派も糾弾派も、もっと落ち着け、冷静になれ

・何が問題か
『内柴正人の準強姦問題について』という記事でも書いたように、この問題の一番重要で、最も本質的なことは、「合意があったかどうか」ではない。これは、まったくもってどうでも良い話。内柴の「合意があった」という証言が100%真実であっても良い。もし合意がなかったら、それは準強姦ではなく強姦になるだけだ(追記:上記一文にさえ、合意の有無は準強姦と強姦を分けないのだよというツッコミがくるのだ……)。では、いったい何を論じれば良いのかというと、「飲酒酩酊時の合意が有効であるか、無効であるか」これに尽きる。他の問題は、確かに重要な論点を含んではいるが、準強姦か否かを考えるうえでは枝葉末節に過ぎない。


・擁護派よ、もっと落ち着け
未成年者である女性が飲酒酩酊していたことを責めても仕方がない。だいたい、女性が未成年であることは内柴の準強姦容疑とまったく関係がない。また、監督責任は内柴にあり、未成年飲酒で罰せられるのも内柴である。擁護派は、未成年飲酒問題を持ち出すことで、意図とは逆に内柴の罪を重くしている。また、マスコミの過剰報道を批判する人もいるが、それもやはり準強姦とはなんの関係もない。内柴の勲章や県栄誉賞のはく奪問題などを、「まだ刑が確定していないのに、犯罪者扱いしている」と憤っている人がいるが、はく奪されたのは犯罪者だからではない。指導者でありながら教え子に手を出し、それも不倫だったというモラルの問題からだ。
要するに、栄誉に足る資質がないと認められたからであって、犯罪者だからではない。


・糾弾派よ、もっと冷静になれ
何度も書くが、問題の本質は「酩酊時の合意が有効か否か」である。内柴が結婚していて二児の父であり、今回の件が不倫であるとか、指導者の立場でありながら教え子と関係を持ったとか、それらは準強姦とは無関係。むしろ、そういう論理というか主張を持ち出すことで、糾弾がただの感情論に陥ってしまう。テレビのコメンテーターが口角泡を飛ばしながら、
指導者と教え子であって、しかも不倫ですよ!!
合意があったかどうか以前の問題ですよ!!
と、バカみたいなことを言っていた。この主張を裏返せば、指導者と教え子の関係ではなく、そして不倫でもなければ、「泥酔した女性を部屋まで抱えていって合意を得てセックスした」ことは許される、ということだ。最初にも書いたが、合意があったかどうかはどうでも良い。そして、それ以上に指導者とか不倫とかは準強姦になんの関係もない。


・何度でも繰り返すが、問題の本質以外でギャーギャー騒ぐな
擁護派も糾弾派も、本質からずれたところで戦っていては、ただの感情のぶつけ合いに過ぎない。
本質として考えるべきことはなんなのか。
「飲酒酩酊した女性とセックスするということはどういうことか」
この事件をきっかけにして考えるべきことは、これだ。「どんなに酔っていても合意は有効」という主張で擁護するのなら、姿勢としては正しい。その擁護派に対して、「酔ったうえでの合意は無効」という論理で対決してこそ建設的だ。
「酔っ払った女性をお持ち帰りしてやっちゃった」
「お持ち帰りされてやられちゃった」
これがどういうことなのかをしっかり考えるキッカケになるはずであったのに、双方がくだらないことにとらわれて騒ぐから、大切な議論が置き去りになったままだ。この事件を静観する必要はない。
むしろ大いに語り合うべきだ。ただし議論は、本質的な部分を、建設的に。


<関連>
内柴正人の準強姦問題について
実は、内柴は女子学生に陥れられたのだ
日本人と飲酒 内柴問題を題材として
「一種の人権侵害 東京・石原慎太郎知事」 価値観の相違……なのか?

4 件のコメント:

  1. この問題は、語る人各々の意見や感情があって複雑ですね。

    自分がこのような体験して悔しい思いをした人は感情的になってしまうし、普段から酩酊状態の女性の扱いに気をつけている男性や深酒してしまった時はそれなりの覚悟をしている人は冷静に話せたりして。

    オレは・・・
    セックスしている最中にゲロをぶっかけられそうな女とはやらないさ(キリッ

    返信削除
  2. >キム兄さん
    キリッってw
    でも、ほんと、ゲロされたら嫌ですもんねw

    まじめな話、痴漢冤罪事件には俺も憤りを持っています。
    それと今回の「合意があった」と事実を認めているケースは全く別物なんですよね。
    それを混同している人たちが、感情的になっているように思えます。

    返信削除
  3. フォローしてます2011年12月10日 7:49

    おはようございます。
    ええと、とってもわかりやすいです。
    とってもわかりやすく書かれておられるのに
    通じない人がいるのが不思議なくらいです。
    みんな感情的になってるからかな…。

    義務教育の体育が柔道か剣道かあともうひとつか(忘れちゃった)を
    選ぶようになるらしいですが、なんとなく柔道にいいイメージがなかったので
    子どもには剣道かなと漠然と考えていました。
    今回のことで「柔道」というスポーツというより、
    男同士が妙にかばい合うスポーツ(アメフトとかも)に対して
    いいイメージが無いのだなということが自分の中ではっきりしました。

    関係ないこと書いてすみません…。
    以前、大学病院の精神科医局で働いてたので
    患者さんの話とか(私もよく電話応対してましたw)
    薬の名前とか(薬屋さんに弁当発注してましたw)
    懐かしくなってフォローしています。
    仕事頑張ってくださいねー。

    返信削除
  4. >フォローしてますさん
    ありがとうございます!!
    こちらのブログで、旧ブログからの引き継ぎお客様でない方からのコメントは初でございます!!

    本件は、確かに「かばい合い」の構図がありますね。
    それと同時に、なぜか女性からも女子学生に対して批難が……。
    女子学生のことを「内柴を好きだったのに冷たくされて嫉妬心から」という女性たちこそ、
    女子学生に対して嫉妬に近い感情を持っているのではないのかと思えてなりません。

    今後もよろしくお願いします!

    返信削除

コメントへの返信を一時中止しています。
一部エントリでコメント欄に素晴らしいご意見をいただいており、閲覧者の参考にもなると思われるため、コメント欄そのものは残しております。
また、いただいたコメントはすべて読んでおります。