覚せい剤や麻薬の使用歴を聞き出すときのコツは、それらがいかにも「当然で」「普通のことで」「こちらは聞いても驚かない」という雰囲気で尋ねることだ。
「東京に何年か住んでいたんなら、麻薬なんかの誘いも多かったでしょ?」
こちらが、非常に軽く、あっさりと、さも当然かのように聞くと、相手も、
「そうですねぇ、結構ありました」
と答えることが多い。
「覚せい剤? マリファナ? 脱法ドラッグ?」
告白された後も、これまでの態度を変えずに聴き続ける。
アルコールの問題を抱えている人への問診も似たような方法を使う。アルコール依存症では、その人なりに罪悪感を持っていることが多い。だから、飲酒量に関しての質問には、毎日5合飲んでいても「3合くらいです」と、実際の量より少なめに申告する。これに対して、質問するときに敢えて大げさな数字を出すと、事実に近い量を答えやすい。
「お酒は一日にどれくらい飲みますか……、たとえば焼酎一升とかですか?」
あくまでも「それくらい普通は飲みますよね」という雰囲気で聞くと、
「いやいや、そんなには飲みませんよ(笑) 5合くらいです」
という答えが返ってくる。
医師は「診察室」に慣れているが、患者からしたら特殊な空間である。さらには白衣を着て威圧感さえ感じる人と向かい合い、しかも自らが罪悪感を抱いていることについて尋ねられる。これは、厳しい教師や警察官の前にいるのと同じくらい居心地が悪い、と考えておくほうが良い。
この居心地悪さを緩和するために「あっさり聞く」。日ごろから心がけている方法である。
いい事聞いた。引っかからないようにします^^。
返信削除もうすべてが手遅れですがね。
>佐平次さん
削除僕ら、飲酒状況を公開しまくっちゃってますからね(笑)
患者側のコメントで申し訳ないのですがこれと同じようなことがありました。
返信削除転院して、初診の先生と2回目の先生が違い、大量服薬の前科があることを引き継がれたのですが、先生に「やっぱり救急車で運ばれちゃうくらい薬大量に飲まれるんですか?」
とあっさりとした雰囲気で聞いてくださりました。
告白しやすい雰囲気を作ってくださったおかげで「救急車で運ばれるくらいは飲んでないこと」「大量服薬してしまう時は50錠ほど」と誤魔化さず正直に話すことができました。
いけないことだとしりつつやってしまうことって患者としては答えにくいですもんね。
診察の流れがそっくりだったのでついついコメントしたくなりました。こんなコメントを残してしまい申し訳ないです。