2012年6月17日

ラモスの熱さがウザかったあの日

平成23年3月19日に旧ブログに書いた記事で、あれから1年以上たって読み返して面白かったので掲載。

ラモスが自身のブログでとんでもないことを言っている。買い占め批判についてや、関東からの一時避難に関しては、このブログでは取り上げないつもりだったのだが、あまりにもラモスの暴論がひどいので、我慢の限界を通り越してしまった。

ラモスのオフィシャルブログの記事 『もう一度冷静になれよ!』

これがまた、
「ラモス、良いこと言った!!」
「俺が言いたかったことだ!!」
みたいに手放しで称賛されていることが空恐ろしい。

以下、買い占めと一時避難に対する批判について書く。

買い占めがやたらと批判されている。責める側にも理由はいろいろあるみたいだが、「被災地に送る物資が足りなくなる」という意見はどうなんだろう? 買い占められているのは小売店の店頭に並んでいる商品だろうし、それが売り切れたところで救援物資が減るなんてことあるのかな……。

それにもし仮に、買い占めのせいで物資不足になっているのだとしたら、たかだか一部の市民の買い占めくらいで足りなくなるような状況は、本当に、「物資は十分に足りているから冷静に」と言えるレベルの備蓄状態なんだろうか……。必要なものがあって買い物に行って商品棚がガラガラだったら、いくら「大丈夫」と言われていても、焦らない方がどうかしている。まして家事を仕切っている主婦の立場なら尚更だろう。

買い占めは批判したところで止まらない。もし本当に物資が十分にあるのなら、 「足りている」ということを示して安心させることが必要なはず。店頭が品薄なのに「足りている」だけ連呼しても安心はできない。


ラモスが東京から避難している人を責めているけれど、おいラモス大丈夫か? 俺は遠く西の地に住み、関東の地理もよく分かっていないのだが、東京だってかなり揺れたらしい。妹夫婦が東京に住んでいて、買ったばかりのマンションにヒビが入っていたらしい。妊婦である妹は、地震当時は埼玉の友人宅にいて、裸足で外へ避難した。原発だけじゃなく、地震だって心配なのが当然の人情だろう。

そういう人情話を抜きにしても、もし近々、関東で再び大地震が起こって、本当に避難が必要な事態になったとしたらどうだろう。早期避難している人たちの分、混雑や混乱が緩和されるわけで、それは決してマイナスなことではないはず。この時期に東京を離れることが、どうしてそこまで責められなければならないのか。地震や原発が不安だという人が田舎に一時避難して、誰かに迷惑をかけるのか? 買い占めは確かに近隣住民にとっては迷惑だろうけれど。「冷静になれよ」なんて、その意見自体が感情的だ。

だいたい、言っていることがおかしい。
「逃げたくても逃げられない人がいるのだから、自分たちも逃げるな」
なんてのは、根性論を通り越して暴論でしかない。被災して避難所生活していて、他の人たちより先に疎開できた人たちが、この言葉を知ったら、ちょっと不愉快になるんじゃないのかな。少なくとも、俺なら言われたくない。

それからもう一点、これだけは言ってはいけないということを、ラモスがブログに書いている。
「その時がきたら 俺は静かに自分の家にいたいし逃げて自分だけ助かろうなんて絶対おもわない(中略)自分の事だけ考えるのは いいかげんやめようぜ」 
彼は津波の被害映像を見なかったのだろうか。必死に逃げながら「みんな、逃げて!!」と叫ぶしかできない消防団員の姿があった。高台に避難して、流される人たちをただ見ることしかできなかった人たちの映像があった。この震災が落ち着いてから、被災者がラモスのこの言葉を知ったら、どう思うだろう。助かった人たちは、目の前で流されていく人たちを助けられなかったことに、一抹の罪悪感を持つようになるかもしれない(もともと生存者の罪悪感、サバイバーズ・ギルティという感覚がある)。ラモスの言いたいことは分からないでもない。しかし、言い方が悪い、言葉足らずだ。このラモスの記事を読んで傷つく人が、必ずいる。

2 件のコメント:

  1. 自分にはそんなことは起きないと高をくくっているのかもしれないな。それとも私のようにもう自分のことを考える気力がなくなっている?
    そんな私でも孫たちには学校を休んでも滋賀や九州のおじいちゃんのところに避難しろと指示しましたよ。

    返信削除
    返信
    1. >佐平次さん
      俺も妹が妊娠中だったし、こっちに帰っておいでと提案しました。ただ、新婚だったし義弟を置いて帰るというのにも抵抗があったようで、その話は流れました。
      ラモスがなんてそこまで避難者を責めるのかが理解不能でした。

      削除

コメントへの返信を一時中止しています。
一部エントリでコメント欄に素晴らしいご意見をいただいており、閲覧者の参考にもなると思われるため、コメント欄そのものは残しております。
また、いただいたコメントはすべて読んでおります。