2014年6月19日

女性が幼児を「蹴り倒す」動画




母親を擁護することはできないが、かといって母親だけを叩いたところで何かが変わるわけでもない。それどころか、母親を攻撃することで、彼女の中にある恐ろしい何かを増幅させてしまうかもしれない。あるいは、彼女の中に残されている優しさの細い糸を断ち切ることになってしまうかもしれない。
天童新太の小説『永遠の仔』で、虐待を受けて育った主人公の一人はこう語っている。
「ときどきこの世界って、親が大人とは限らないってことを、忘れるみたいね。子どものままでも、親になれるんだから。親ってだけで、子どものすべてを任せるのは、子どもに子どもを押しつけてる場合もあるのよ。子育ては競争じゃないって伝えるところが、どうしてないの。支える道も作らずに、未熟な親を責めるのは、間接的に子どもを叩いているのと同じかもしれないのに」

幼児を女性が「蹴り倒す」動画――渋谷駅で撮影された「児童虐待」衝撃の現場

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4 件のコメント:

  1. いつもブログを拝見しています。こういうのを見るのはつらいです…。かつて私も自分をコントロールできなくて、子らに手を挙げたりしたことがある。そんなときは後で凄くいやな感じが残った。今でも子らに申し訳なかったという思いが残っています。子育ての途中で、自分も育てられたのかなと。今は娘は母となり、子育て中です。私よりもずっと大人の親です。まぶしく見守っています。

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    1. >ゆみさん
      俺も親から手をあげられたことはありますよ。カッとなることがあるのは、世界中どこの親だって同じですし、体罰や虐待にうるさいと思われているアメリカでも、「カッとなって子どもを叩いたことがあるか」というアンケートでは結構多数がYesと回答したそうです。
      この女性と子どもが、なんとかこの雰囲気・状況から抜け出せることを祈るばかりです。

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  2. 自分がこういった場面に遭遇したら、どういう対応しただろうと考えさせられました・・・できれば、母子に優しい言葉をかけるのが理想だけど、ビデオ撮影して母親に変な刺激を与えたくないし・・・(この動画の親が家に帰ってから子どもに八つ当たりしてないか心配です)

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    1. >匿名2014年6月24日 22:37さん
      自分ならどうするだろうか、それを考えることって凄く大切だし良いことだと思います。それ考えずにああだこうだ言うのって、やっぱり想像力の欠如という点で、いずれこの女性と同じ世界に足を踏み入れてもおかしくない。
      女性と子ども、両方のために誰かが手を差し伸べてあげていることを祈るばかりです。

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