2016年6月15日

相変わらずのダークっぷり 『その時、殺しの手が動く 引き寄せた災、必然の9事件』


新潮45のこのシリーズは、読むと暗澹となったり背筋が寒くなったりするのだが、わりと文章力のある人たちが執筆しているので、「読む」行為へのストレスはまったくない。中身的にも「ハズレがない」という長所があるので、つい旅先に持って行ってしまう。ただ、「読書」としてはストレスフリーだが、読んで明るい気分になることが絶対にないことも確かだ。

今回も相変わらずダークな話の連続であった。

副題は、「引き寄せた災、必然の9事件」。

確かに、被害者の日々の言動が「引き寄せた」と言えるものもあったが、その逆に被害者にはまったく何の落ち度もない事件もあった。特に、不倫による愛憎劇の挙げ句、怒り狂った相手の女が男性宅に火をつけ幼児2名が焼死した事件や、虐待の末に2歳の女児が亡くなった事件など、子どもが被害者になったものについて「引き寄せた災」というのは酷だと感じた。ただし、このどちらについても、バカ男女が引き寄せた必然とは言えるかもしれない……。

また、「この加害者は躁状態じゃないのか?」と思うような事件もあった。精神鑑定がなされたかは書いていなかったし、鑑定があったとしても完全責任能力は問えるだろうけれど、ちょっと気になった。

こういう本を読むことが少しなりとも好きな人、興味がある人にしか勧められないダーク・シリーズである。

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