2017年2月28日

発達障害、アスペルガーといった診断がついている人、自分はそうかもと思っている人には共感できる話が多いかもしれない 『世界音痴』


著者はかなり独特な感覚の持ち主である。歌人として「言語感覚」が独特、というわけではない。人としての「五感」がかなり独特なのだ。

コミュニケーション能力はお世辞にも高いとは言えず、神経過敏なところがあるかと思えば、その真逆に過鈍なところもある。味覚の偏りのせいか偏食もするようだ。身の周りのできごとに対する解釈も一風変わったところがある。

こうしたことが原因で、本人が日常生活や社会生活で困難を抱えて診察室に現れれば、発達障害圏の診断をつけてしまうかもしれない。

そんな短歌歌人のエッセイ集である。

タイトルが非常に秀逸だ。いわゆる「発達障害」といわれる人自身が感じる周囲とのギクシャクさ、それから、そういう人の周りにいる人たちの困惑といったものが、「音痴」という二文字でみごとに表現されている。こういう言語感覚は、独特というより、「鋭い」と高く評価されるべきだろう。

一編が3ページほどで、時どきクスッと笑えて、気軽に読めるエッセイ。

0 件のコメント:

コメントを投稿