著者はかなり独特な感覚の持ち主である。歌人として「言語感覚」が独特、というわけではない。人としての「五感」がかなり独特なのだ。
コミュニケーション能力はお世辞にも高いとは言えず、神経過敏なところがあるかと思えば、その真逆に過鈍なところもある。味覚の偏りのせいか偏食もするようだ。身の周りのできごとに対する解釈も一風変わったところがある。
こうしたことが原因で、本人が日常生活や社会生活で困難を抱えて診察室に現れれば、発達障害圏の診断をつけてしまうかもしれない。
そんな短歌歌人のエッセイ集である。
タイトルが非常に秀逸だ。いわゆる「発達障害」といわれる人自身が感じる周囲とのギクシャクさ、それから、そういう人の周りにいる人たちの困惑といったものが、「音痴」という二文字でみごとに表現されている。こういう言語感覚は、独特というより、「鋭い」と高く評価されるべきだろう。
一編が3ページほどで、時どきクスッと笑えて、気軽に読めるエッセイ。
読んでみたいと思いました
返信削除私も生きることが下手で、自己嫌悪の日々
怒鳴られたり、戸をバシンと閉められたり、大きな音は恐怖です
でも、私自信が駄目な人間なのでもうあきらめています
このまま、長い人生生きていくのは悲しいですが、がんぱります
>匿名2017年4月11日 23:19さん
削除ぜひ穂村さんの本を読んでみてください。
この人なんて、生きるのが下手すぎて、自己嫌悪というか、諦めというか、そういう状態になったり、それで良いんだと開き直ったり、あちらこちらに揺れている様子がみてとれます。でもそれが生きるということだと思います。
実は俺も、来年度から民間病院への就職を考えていて、「俺ならやれる、重宝される」という気持ちと、「本当に大丈夫なのかな……」とで揺れる日々です。
返信ありがとうございます
削除先日このブログを拝見させていただいたばかりですが、ご家族を大切にされていて、誠実そうな人柄がブログから感じられます
このような先生なら、信頼できるし、受信したいくらいです(笑)
以前、テレビで戦場カメラマンが言っていたのですが、戦場で現地のガイドを雇うとき、その人に本当に命を預けてもよいか、見極めるため、その人の、実家とか家庭に連れていってもらって、家族に対するその人の接し方とかをみるそうです
家族を大事にしている人かどうか
そこでそのガイドを信頼できるか、判断するそうです
なるほどと思いました
先生の転職先が、よい環境で、先生のような医師に救われる人がそこでもたくさんいればよいなと思います
>匿名2017年4月12日 17:53さん
削除そう思っていただけると嬉しいです。でも、不信感をぶつけられたり、攻撃されたり、そういうこともある毎日です。いや、毎日ではないか(笑)
戦場カメラマンの話、すごく納得できる気がします。
「妻や子どもに恥ずかしい働きはしない」
これは、自分でも当てはまると思います。
今後も精進しようと思いました。ありがとうございます。