2018年1月29日

軽めの心理学をどうぞ! 『Qのしっぽはどっち向き? 3秒で人を見抜く心理学』

おもしろい実験がある。

被験者に新聞を渡し、「この中の写真を数えるように」と指示する。実は新聞の中には半ページ大で「これを見たと報告した人には1万円あげます」と書いてあるのだが、普段から「自分はツイていない」と思っている人は見つける確率が低く、「ツイている」と考えている人は高かった。


この実験から、筆者は、
「日頃の思考・行動の習慣が運・不運に影響するのだ」
と言う。なるほど一理あるかもしれないが、それよりは、『となりの車線はなぜスイスイ進むのか?』で紹介した実験と同じ人間の認知力の面白さを示しているように感じる。

ちょっと飲み会で使えそうな心理テストもあった。それが本書のタイトルである。
まず、何も考えずに、アルファベットの「Q」をおでこに書いてみよう。さて、Qのしっぼはどちら向きになっただろうか。これはあなたの嘘つき能力をチェックするものだ(あくまでも能力であって、嘘つきかどうかを調べるものではない)。

しっぽが顔の左側にある人、つまり相手から見て読めるように書いた人は、セルフモニタリング能力が高く、他人の目を気にする傾向がある。他人に注目されるのが好きで、自分が置かれた状況に適した行動をし、他人に自分をどう見せるか操作することができる。つまり、嘘をつくのが上手いということらしい。

逆に、しっぽが顔の右側、つまり自分が読めるように書いた人は、セルフモニタリング能力が低く、どんな状況であっても常に「同じ自分」でいて、自分の内的感情や価値観に従って行動し、自分の行動が周りの人に与える影響をあまり意識しない。つまり人をだますのが下手。

本書の中に面白いジョークが出ていた。
ホームズとワトソンがキャンプをしていた。星空の下にテントを張って眠ったが、夜中に眼を覚ましたホームズがワトソンを呼び起こした。
「ワトソン、天を見上げてごらん。何が見える?」
「無数の星が見える」
「そこから、何が分かるかい?」
「えへん、無数の星があるということは、なかには惑星があるかもしれないということで、地球のような惑星があることももちろん考えられる。だとしたら、生物がいるかもしれない」
すると、ホームズが言った。
「ワトソン、どうかしてないか? 誰かにテントを盗まれたってことじゃないか」
軽めの心理学の本。そこそこ面白い。

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