2018年1月30日

水道のリチウム濃度が高いと、犯罪率・自殺率が下がる!?

1990年、米国テキサス州で「水道水のリチウム濃度が高い地域では自殺率や犯罪率が低い」という発見があった。そこで、大分県でも調査されたところ、確かに水道水リチウム濃度が高いと自殺率が低いことが分かった。さらに、オーストラリアの全99州においても同じ結果であった。これらについて、社会経済的要因や医療要因などを補正しても、やはり「水道水のリチウム濃度の高さと自殺率の低さは関係がある」ということが確認された。ただし、イギリス東部の調査では相関関係は認められなかった。

炭酸リチウムは躁うつ病の治療に使われる薬で、商品名はリーマスという。リチウムは最も軽い金属元素で、長時間のうちに海水中などを循環しつづけている。その海水中には、およそ2300億トンのリチウムが溶けていると言われている。

テキサスや大分、オーストラリアで調査対象となった地域の水道水のリチウム濃度は、いくら高いといってもそう極端に高いわけではない。普通の治療に必要な量を水道水のリチウムで摂ろうとするなら、毎日60トンの水を飲む必要がある。言い換えるなら、それほどに薄い水道水リチウムでも、犯罪率や自殺率を少し下げる程度の効果はあるということだろう。

上記は『臨床精神医学』を読んでいて、一般の人にもなかなか面白い話題だと思ったので紹介することにした。



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