2018年4月9日

AIはプロ棋士を廃業に追い込むのか? 『不屈の棋士』


将棋のプロが人工知能(AI)に負けた。

そのニュースを知った数年前、「ふーん」くらいにしか思わなかった。「だからなに?」と。今回、本書を読んで改めて「コンピュータが勝ったからって、別にどうってことはない」という想いを強くした。

本書は将棋ソフトに対する姿勢や想いを11人の棋士にインタビューしたものである。羽生善治は超有名なので知っている人も多いだろう。残り10人は将棋ファンなら知っているのかもしれないが、俺は知らない人ばかり。それでも将棋そのものは好きだし(とはいえ、もう何年も指していないが)、将棋界に興味はあるので、それぞれの棋士が語る話は面白かった。

AIと人間の勝負、あるいはAI同士の勝負を、仮にフィギュアスケートに置き換えて想像してみる。見た目が人間そっくりのアンドロイドができたとして、そのアンドロイドと人間の演技勝負を見て楽しいだろうか? あるいは、アンドロイド同士の勝負は魅力的だろうか? きっと一部のマニアだけが好むものになるはずだ。

人間には、体調管理、プレッシャー、ミスといった要素があり、それらを乗り越えて勝利を掴んだ人や、つまずいて涙する人の姿に共感したり感動したりするのではなかろうか。だからきっと、AIがどんなに進歩しても、プロ棋士同士の勝負の魅力が失われることはないだろうと、希望もこめて信じている。

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