2018年10月26日

我々の周囲に潜む「食にまつわる無意識」を明らかにする名著 『そのひとクチがブタのもと』


『人はこうして「食べる」を学ぶ』で好意的に紹介してあった本。タイトルはいかにもダイエット本だが、原題は『Mindless Eating』。我々の周囲に潜む「食にまつわる無意識」を取り扱っている。

本書ではダイエットのための方法を示している。それは具体的に何を食べたら良いのかといった類のものではなく、「どうやったら無意識に痩せられるか」という方法である。たとえば「食事中にはテレビを消す」。こうして書き出すと、なんだそんなことかという感じだが、根拠となる実験や考えかたも述べてあるので、いろいろな場面に応用がきく。

著者は決してダイエットを専門に研究しているわけではない。逆のこと、つまり「どうやったら食べさせることができるか」という研究もしている。たとえば前線の兵士たちは1日に3000kclから6000kcalの摂取が必要とされるが、彼らの食事は食欲を低減させるさまざまなにおいに囲まれ、ときに暗闇の中ということもある。そんな彼らの食欲をどうすれば刺激できるのか。

全体を通して分かりやすく、今日の、次の一食からでも実践できる「無意識で地味なダイエット」が推奨してある。「○○ダイエット」で失敗を繰り返している人は必読。

<参考>
「食育」とは、「健全な食生活を実現することができる人間を育てる」こと 『人はこうして「食べる」を学ぶ』

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