フロアスタンドに明かりを灯し、
お気に入りのジャズを聴きながら、
薄暗い部屋で脱力して過ごす。
酒はなくても構わない。
極上のスピーカーから流れる最上級の音楽。
鼓膜だけじゃなく、皮膚さえも聴覚器官として。
聴くのではなく、感じる。
そして、自然と、瞳は閉ざされる。
あぁ。
これは、つまり、キスなのだ。
音楽との抱擁、そして、キス。
相手の鼓動、息づかい、微妙な動き、体温、感情。
そうしたものを全て残さず感じたいから、瞳を閉じる。
濃厚で、濃密で、エロティックな、キス。
音の唾液が、鼓膜を刺激する。
リズムが、皮膚を愛撫する。
愛しているよ。
そう声をかけることさえもどかしく、
ただひたすらに、音楽と抱き合いキスをする。
キス以上には、進めない。
キス未満には、戻れない。
そんな関係。
頭と体は、熱く、煮えたぎるように、
これ以上、今以上を求めていても、
決して、今より近づくことは叶わない。
いっそ諦めてしまえたら。
そう想いながら、抱擁し、キスをし、
諦めるという言葉が溶けていく。
今、君はボクだけのものだ。
今、ボクは君だけのものだ。
だから、
全てを、
他の人には見せないところまで、
うなじを、乳房を、秘部を、
ボクに、
ボクだけに、さらけだしておくれ。
ボクが全てを受け止めて、ボクが全てを舐めつくしてあげる。
演奏が終わり、ボクたちはそっと体を引き離す。
ボクは、もう一回、もう一回と、
別れぎわにキスをねだるように、
再生ボタンに指を這わせる。
そうして、静かに、夜が更けていく。
すんごい共感してしまいます!!
返信削除ちなみに演奏するっていうのは作曲家へのラブコールですね。
ねぇ…貴方のことこんなに好きなの。もう好きだなんて伝えられないけど貴方に恋してしまったの。誰よりもあたしが貴方を理解してあげる。誰よりも貴方をあたしが表現してあげる。振り向いてなんて言わないから。永遠に片想いでも構わないから。お願い。今だけはあたしのモノでいて
ってかんじで弾いております。改めて言葉にするとこっぱずかしいですね。(笑)
こんなかんじで
>あっこ
返信削除演奏家はそうなのか、なるほど。
ちなみに、読書や映画観賞ではそこまで入り込まないんだよなぁ。
俺の場合、酒がほんのり入って聴く音楽でしか、こういう体験はない。
人それぞれなのかねぇ。
自分もそんなかんじですよ。心酔するのは音楽だけ。
返信削除音楽は自分の世界観を創ることができるけど、映画とかは創られた世界観を見るものだから心酔できないのかも。。
って昨日撮ったアリエッティを見ながら思ってます。ラピュタに引き続きジブリシリーズの放映でテンション上がり気味だったのに、あんまり面白くなくて眠いです。トトロとかやってくれなあかなぁ…
>あっこ
返信削除アリエッティは、宮崎駿じゃないんだよね、たしか。
だから、というわけでもないんだろうけど、物足りなかったなぁ。