2012年3月19日

素直すぎる目で読むと痛い目をみる! 『セカンド・オピニオン』


指導医のA子先生が購入されたので借りて読んだが、今いち好きになれない。著者の笠先生のところに行けば、すべて正しく診断治療してもらえるように感じられるからだ。この本は、当たり前だがセカンドオピニオンの成功例だけを集めてあるので、一般の人が素直に読むと、いかにもすべてのケースで前医の診断治療が間違っていて、セカンド医である笠先生が正しかったというような誤解を招くと思う。実際には笠先生だって誤診も誤治療もしているはずだし(誤診がまったくないと言う人は逆に危険だ)、前医の診断・治療と、笠先生の診断・治療が同じだったケースもあるはずだ。ただ、そういうケースは書かれていない。ところが、藁にもすがる思いの読者はそういう目では読まないだろうし、その結果、精神科医療への不信、治療の拒否、病状の悪化などが起きるかもしれない。そうなっても、笠先生が責任を取ってくれるわけでもないのに。

自分も時どきネット上で、セカンド・オピニオンめいたものを求められることがあるが、あくまでも一般論でしか答えないし、答えが間違っていても一切責任を取るつもりはない。もしセカンド・オピニオンを考えている人がいるなら、ネットや電話ではなく、直接に受診すべきだ。みないと分からないからだ(この場合の「みる」は見る、診る、視る、観るのすべて)。

本の後半部分は、わりと内容的に面白かった。主治医への相談の仕方など、実用的なことが書いてあり、いろいろ悩んでいる人は読むと良いかもしれない。ただし、上述したように、素直すぎる目で読まないように。

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