2012年7月14日

被差別部落の青春

小中学校時代に住んでいた土地は、かつては「部落」と呼ばれていた。中岳部落とか宮代部落とかいうように、今でいうなら「町」のかわりに「部落」という単語が使われていた。運動会でも「部落対抗リー」というものがあったが、後に「地区対抗リレー」と呼び名が変わった。俺が知らないだけかもしれないが、おそらく「被差別部落」ではなかったと思う。

だから、道徳の授業なので「部落差別」と言われても、まったくピンと来なかった。学校に通ってきている仲間は全員が、「○○部落」に住んでいるからだ。
「え? 部落って差別されるの?」
という感覚で、しかし、街に住んでいる従弟から差別された記憶はないし、市内の小中学校全体の体育大会なんかでも後ろ指差されたこともないし、なんだか変な感じだなぁと思っていた。



部落差別について書かれた本を読んでみたかったので購入。中身は読みやすかったけれど、部落差別というのが身近にはまったくなかったので、やっぱり部落差別は分かりにくい。それは良いことなのかもしれないし、悪いことなのかもしれない。

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4 件のコメント:

  1. ししとう432012年7月14日 4:47

    関西に住んでるもので、「部落」=「同和地区」と周りの者からは、教えられて育ちました。
    学校の国語の授業や教科書には、そんなニュアンスはなかったので、子供心には「?」。
    大学・就職等で、西日本各地の出身者が平気で「町」の意味で「部落」という言葉を使ってるのを聞くたびに、「あのなあ、関西ではなあ・・・(略)」と説明したものでした。
    ちょうど、解放同盟がブイブイいわしてた頃で、コソコソと小声で。
    外国人に説明が非常に難しいことでもあり、肌の色も宗教も同じなのに差別されるのが、彼らには納得がいかないようでした。
    もっと、説明が難しいのは、解放同盟と共産党が犬猿の仲であることで、私もネットで調べて、最近やっとその歴史的経緯を知った次第です。
    おもしろそうな本なので、図書館で借りてみようかと思います。

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    1. >ししとう43さん
      被差別部落は西日本のほうが問題らしいのですが、同時に「地区」のことを「部落」と気軽に言うのも西日本なんですかねぇ。関西圏、広島、香川、福岡、熊本あたりの話がこの本では扱われていました。俺の地域では部落よりはキリスト教のほうが問題だったのかもしれません。

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    2. >>いちは先生
      鹿児島の離島というか、琉球文化圏出身のヤツも「町」の意味で「部落」って言ってたなあ。
      しかし、キリスト教が問題って、初耳です。
      地域によって、違いがありますねえ。
      北海道の子は、被差別部落のことより、アイヌ民族に対する差別が問題だと言ってましたし。

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    3. >ししとう43さん
      「おくんち」をキリシタン発見の手段に用いたり、キリシタンを祭りから排除したりという歴史があったみたいです。

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