2015年2月27日

代替医療解剖‏


主に鍼治療、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法について書かれている。それぞれの分野に従事する人、あるいは信奉する人にすれば痛いことが書かれているので、反感・反論もあるだろう。本としては、検証、検証、また検証の積み重ねで、ちょっと退屈になる時もあるが、全体としては非常に面白かった。

医療者も、医療ユーザーも読んでおいて損はない一冊。

2015年2月26日

サクラ、今日で3歳の誕生日!!

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昨夜のこと、寝る前に、
「パパ、あした、しごといかないでね」
それから、
「パパおやすみ、ママおやすみ」
と言って眠りについたサクラ。

今日が自らの誕生日と知ってか知らずか、なかなか可愛らしいことを言うものだとしみじみ。

今日は頑張って早く帰るよ!!

2015年2月24日

下町ロケット


面白かった!

中小企業の中年社長が奮闘する物語。前半と後半とでトラブルの種類や質が変わり、ジェットコースターのようにテンポのいい展開。

2015年2月23日

わたしたちはなぜ「科学」にだまされるのか ニセ科学の本性を暴く


非常に興味深く面白かった。

タイトルでいう「科学」は、インチキ科学のことである。常温核融合、ビタミンO、磁気治療法その他の健康法、電磁波の影響などなど、物理学者が硬くない言葉で語っている。

2015年2月20日

復活の地


カバーはいかにも子ども向けという感じだが、中身はわりと硬派なSF小説であり、震災小説であり、政治・官僚小説であり、恋愛小説であり、人間小説である。

惑星レンカの首都を襲った大震災とその後の復興をテーマにした群像劇。登場人物は横文字名前だが、国の規模、政治体制、貨幣価値などはほぼ日本と同じで、身近に引き寄せて想像しやすい。阪神淡路大震災をかなり参考にしてあるようで、防災について考えさせられることも多かった。さらに東日本大震災を経験した今では、人それぞれに感じることが多い小説ではないかと思う。

序盤は、
「どうしてこんな未来の話なのに、こんな古臭い街やシステムや道具があるの?」
と戸惑ったり違和感があったりした。その理由は1巻の中盤を過ぎたあたりで明かされる。大したネタバレにもならないので書いておくと、物語の舞台となるのは、地球から宇宙のあちこちに人類が散らばった後に惑星間の戦争が起こり、高度な知識や技術の多くを独占していた地球が滅び、それらの知識や技術がかなり失われてしまってから数百年後である。

数年前まではSF小説というだけで毛嫌いしていたのだが、その食わず嫌いは完全に治った。SFは、あくまでも舞台が近未来、未来であったり、小道具が空想的なものであったりするだけで、描かれるのは人間である。というか、そういうSF小説やSF映画でなければ面白くない。

SF食わず嫌いという人はけっこう多い。そんな人に、ぜひとも読んでみて欲しい作品の一つに本書を含める。

その他のお勧めSF小説のレビュー
老ヴォールの惑星
アイの物語
神は沈黙せず

2015年2月18日

脳は確率に弱い 『たまたま 日常に潜む「偶然」を科学する』

たいていの人の脳は、瞬時に確率を計算したり判断したりすることには不向きにできている。そう、きっとあなたの脳も。

試しに、次の問題を考えてみて欲しい。

ある大学の期末試験を、前日に飲みすぎた二人の学生がすっぽかしてしまった。その理由として、彼らは口裏を合わせて教授にこう言った。
「車で一緒に大学に向かう途中、タイヤがパンクしてしまった」
そして再試験を求め、教授はそれに同意した。再試験の問題は2問。1問目は5点の配分でそう難しくはなかった。2問目は95点の配点で、問題用紙にはこう書いてあった。
「パンクしたのはどのタイヤだったか?」
さて、二人の大学生の答えが一致する確率は何分の1だろうか? なお、引っかけ問題ではないので、車は4輪車を想像すれば良い。

正しい答え、それから考え方は、きっと誰かがコメントするだろう。

それが待ちきれない人は本書を手にとって読んでみると良い。きっと確率・統計というものが少し身近に感じられるようになると思う。

2015年2月17日

アルーマ


日曜昼間あたりに放送されるような、ジャパニーズB級ホラー映画を見終わったような読後感である。
「カラオケで歌うとヤバイんだってさ…」アイドル歌手・辻井珠姫のデビュー曲「アルーマ」をめぐり、奇妙な噂が流れていた。ある者は彼女のデビュー前に謎の焼死をとげた歌手・土岐綾乃の幽霊を見たと言い、ある者は綾乃に呪い殺されると言う。同じプロデューサーによって見出された珠姫は綾乃の死因に疑問を抱くが……。

2015年2月16日

人は無意味なランダムの中にパターンを見出してしまう 『たまたま 日常に潜む「偶然」を科学する』

コインを24回投げて表(○)か裏(●)かを記録すると、

○○●○○●○○●○○●○○●○○●○○●○○●

こういう結果になったとする。さて、次に投げて黒が出る確率はどれくらいだろう? もちろんここではコインの製造工程での不具合などは考えないし、コイントスをする人の技量も考慮に入れない。

答えは当然、2分の1である。

でも、なんとなく表(〇)が出そうな気がする。根拠はないし、それが間違った感覚であることが分かっていても、そこに何らかのパターンを感じてしまうのが人間の脳というものである。

では、コインを24回投げた場合に、以下の3つのパターンのうち、一番出やすいもの、一番出にくいものはどれだろう?

A ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ 表だけ24回
B ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● 裏だけ24回
C ●●○○●●○●○○●○●○○●○○●○●●○● それぞれ12回ずつ

この場合、どの3つも確率は同じである。しかし、感覚的には、AとBが起こりにくく、Cは起こりやすそうに見える。


上で述べたようなことについて、本書では素晴らしい警句を記してある。
ランダムな変化の中に整然としたパターンがあっても、パターンがつねに意味を持っているわけではない。そして、意味が存在する時にその意味を知ることが重要であるように、意味がない時にそこから意味を引き出さないようにすることも同じくらい重要である。
これは医療に携わる者として、しっかり身につけておかなければいけない姿勢でもある。

そして、本書を読むと、こういう確率・統計の話がもっと身近に感じられるはずだ。

2015年2月12日

3つのドアの向こうに高級車があるとして…… 『たまたま 日常に潜む「偶然」を科学する』

みのもんたが司会をつとめるクイズ番組に、あなたが出演する場面を想像してほしい。
さて、いま目の前に3つのドアがある。ドアの一つの向こうにはレクサスがあり、残り二つの後ろにはタワシがある。そして、あなたはどれか一つのドアを選ぶように求められる。あなたがドアを選ぶと、みのもんたが選ばれなかったドアのうちの一つを勢いよく開ける。
バタン!
ドアの向こうにはタワシ。みのもんたは当然、正解のドアを知っているのだ。そして、彼はこう言う。
「今なら、開いていないもう一つのドアに変えても良いですよ」
さて、ここで選択を変更することは、あなたにとって得策なのだろうか? それとも変更してもしなくても結果は同じなのだろうか?

先に正解を書くと、変更したほうが良い。その理由についての細かい解説は本書を読んでもらうとして、本書にあった考え方の一つを紹介しておく。

ドアが100枚あったと考えてみよう。そのうち1つをあなたが選ぶ。そのドアの向こうにレクサスがある確率は? 100分の1である。では、残り99枚の向こうにレクサスがある確率は? そう、100分の99である。そこで正解を知っているみのもんたが99枚のドアのうち98枚を開けていく。
バタン! バタン! バタン! 疲れてきた……、バタン!! バタン!!
息を切らせながらみのもんたが言う。
「ドアを……、変更しても……、良いですよ……」
開かれていないドアが2枚ある。1枚はあなたが選んだ正解確率100分の1のドアで、もう1枚は正解確率100分の99の中から、正解を知るみのもんたが開けなかったドアだ。

実際にアメリカのクイズ番組で3枚のドアを使ったものがあり、変更した人のほうが景品ゲット率が高く、またコンピュータシミュレーションでも変更するほうが2:1で有利という結果が出た。


これを読んでもいまいちピンとこないなら、ぜひとも本書を読んでみるべきだ。統計・確率といったものを、ある程度分かりやすく、深入りすることなく、歴史的エピソードをまじえて適度なレベルで教えてくれる。

2015年2月10日

ウイルス・プラネット


『破壊する創造者』に引き続きウイルスに関する本である。ただし、こちらはかなりライトな内容で、短時間で読み終わる。

ウイルスというと、人によって思い浮かべるものはさまざまだろう。最近はエボラが話題で、その他のウイルス疾患はエイズ、麻疹や風疹、天然痘、それから普通の風邪もある。

サンディエゴ州立大学の生物学者、デーナ・ウィルナーの研究チームが行なった調査で分かったことは、健康かどうかにかかわらず、人は肺に多種多様なウイルスを持っているということだった。その数、実に平均174種。しかもそのうち、すでに知られているウイルスやその近縁種は10%に過ぎなかった。

驚く話はまだある。海水1リットル中に、なんと1000億個ものウイルスが存在すると推定されているというのだ。もう海で泳ぐのが怖い……、なんて思わなくても大丈夫。ほとんどが人体には無害どころか感染さえしないもので、魚介類や藻類、細菌といった海洋生物に感染するウイルスである。

最近では統合失調症は、妊娠中の母体のウイルス感染に関係があるかもしれないと言われている。また、統合失調症の遺伝子は、実は人類の長い歴史の中でDNAに取り込まれたウイルスが関与しているという説もある。

DNAにウイルスが取り込まれる!?

そう、さまざまな研究の結果、すべての人間がゲノムの中にウイルスの断片を10万個ちかく持っていることが分かっている。これはなんと、ヒトゲノムのおよそ8%を占めるのだ。

さて、ウイルスに少しでも興味が出たなら、まずは手始めに本書からどうぞ。

2015年2月6日

破壊する創造者


(ある種のサルを宿主として安定している)ウイルスは、元々の宿主と生態学的地位が同じで、食べ物も同じ、というサルに対し、最も攻撃的になると思います。たとえ同じ地域で暮らしていても、食べ物や生態学的地位が違っていれば、ウイルスの攻撃性はさほどでもないでしょう。
これは、本書内のハーバード大学エイズ研究所所長 マックス・エセックス教授へのインタビューから引用したもの。

遺伝子やDNA、進化に関する高度な知識を要する部分もあったが、全体を通してみて刺激的な本だった。ただ、基礎だけでも良いので細胞生物学の知識がないと読みにくいかもしれない。

遺伝や進化については基礎知識しかないが、そのかわり高度な先入観もない分、本書で取りあげられているような「反論」を感じることもなく、へぇそうなんだ、と素直に読めた。

中でも冒頭の引用前後の話は面白かった。人間のインフルエンザは犬にうつらないし、犬の風邪(ケンネル・カフ)も人間には無害だ。ある生物Aと共存するウイルスは、その生物とエサなどの生存環境を奪い合う類似種の生物Bがやってきた時、そのBに対して感染症として猛威をふるう。ウイルスにとってAは繁殖の場であり、Aを守ることは自らの利益になる。また、もちろんAにとってはBがいないほうが良い。このような形で生物とウイルスの共生があるのではないか、というのが本書のテーマの中の一つである。

そういえば映画『宇宙戦争』では、地球に攻めてきた宇宙人が、地球の細菌かウイルスかにやられて逃げ帰るという結末だった。これはまさに上記のことを描いているわけだが、H・G・ウェルズが原作を書いたのは1898年。ダーウィンの『種の起源』が発行されたのが1859年、パスツールによる細菌の発見が1860年、コッホによって病原性微生物による感染症という考えが提唱されたのが1876年ということを考えると、ウェルズというSF小説家のすごさがよく分かる。

宇宙戦争

2015年2月2日

自分の体で実験したい 命がけの科学者列伝


自らをモルモットにして科学に挑んだ人たちに関する偉人伝である。トンデモ科学者ではなく、彼らの実験は、後世に生きる我々の生活、医療に大きく貢献している。10人について、10章に分けて紹介してある。時どきプッと吹き出してしまうようなエピソードもあるが、いずれも一医療者として、彼らの姿勢に敬意を抱いた。

各章の内容を大雑把に紹介する。

第1章 あぶり焼きになった英国紳士たち 1770年代
人間はどれくらい高温に耐えられるのか。ガマン大会のように見えるが、人間の体温の恒常性を発見した偉大な実験。

第2章 袋も骨も筒も飲みこんだ男 1770年代
食べ物はどうやって消化されるのか。食事前に読むのはやめておこう。

第3章 笑うガスの悲しい物語 1840-1870年代
患者に痛みを感じさせずに抜歯や手術を行ないたいと考えた人たちの、悲喜こもごもの話。

第4章 死に至る病に名を残した男 1885年
ペルー特有の熱病の謎を解明するため、敢えて自らに感染させた若き医学生の物語。

第5章 世界中で蚊を退治させた男たち 1900-1901年
黄熱病の感染の仕組みを解明するため、自ら実験台になった人たち。

第6章 青い死の光が輝いた夜 1902-1934年
これはご存じキュリー夫人の話。

第7章 危険な空気を吸いつづけた親子 1880年代-1940年代
炭鉱、海底、高山など、特殊な環境で働く人たちが安全に呼吸できるようにしたいと考えた親子の話。エキセントリックだが、情熱たっぷり。

第8章 心臓の中に入りこんだ男 1920年代-1950年代
心臓カテーテル検査がどうやって生まれたか。今でこそ高度とはいえ田舎の病院でも行える手技だが、当初は「サーカス芸」として笑われた。野心的に自らの体を使って実験を成功させたヴェルナー・フォルスマンは、しかし実験の中断を余儀なくされ、最終的には10年以上たってから別の二人の医師が初めて患者に応用する。その二人の医師とフォルスマンの3人がノーベル賞をもらった。

第9章 地上最速の男 1940年代-1950年代
航空機や戦闘機、自動車に乗る人たちの安全性を高めるため、自ら音速からの急停止にチャレンジした男の話。彼のおかげで今の自動車は大幅に改良された。そして彼はこの実験のせいで後遺症がたくさん。

第10章 ひとりきりで洞窟にこもった女 1989年
隔離環境下で人間にどんな影響が出るかを調べるため、実験に協力した女性。この人は科学者ではなくインテリアデザイナー。ちなみに同様の実験の後に自殺した人が数人いる。


個人的には、同様の本でこちらの方がお勧め。
『世にも奇妙な人体実験の歴史』のレビュー

サクラ「がんばらなきゃ」 & ユウのはいはい

サクラがジャンパーを着るのを手伝ったら、チャックを自分でしめようとするがうまくいかない。そこでサクラがぼそりと、

「おともらち、できてたもんねぇ。サクラもがんばらなきゃ」

と言っていて驚いた。そうですか、もうそういう年頃ですか。


ユウはサクラより圧倒的に体の使い方が上手く、寝返りも座るのもとんとん拍子だった。きっと妻のほうの遺伝子が強く発現しているのだろう。妻は出身中学校の長距離走で未だに破られていない記録保持者である。いっぽうサクラは運動神経のにぶい俺の遺伝子を受け継いでいるのかな。そんなユウだが、ここにきてはいはいがなかなか進まない。そんなユウに、サクラが遠くの方から、

「ユウちゃん! おいで!!」

と言うのが笑える。