2012年4月30日

実習にきていた女子学生の無神経さ

先日、実習に来ている女子学生の不用意な発言に関して書いた。

今回も、半ば愚痴である。

ある日の朝、医局の勉強会があり、発表者が俺だった。テーマは何にするか悩んだが、南三陸町での支援活動報告をメインにした。ついつい熱が入ってしまい、普通は15分程度で終わる発表が30分にも及んだ。発表で用いた資料に、南三陸町で撮った写真を使った。ピアノ、おもちゃ、ランドセルといった写真も織り交ぜた。そして、
「マスコミでは“瓦礫”という一言で、撤去とか除去とか言われています。今はゴミとして扱わなければいけないものも、もともとは誰かの大切なものだったはずで、そういうことを考えると、瓦礫という言葉を聞くと心苦しい感じがします」
といったことを話した。また、現地のテレビ番組の写真を見せて、
「こちらでは、すでにテロップは流れていませんが、被災地近辺ではまだ“入浴支援”などのテロップが流れています。テレビなどでは“復興の兆し”など良い言葉が出始めていますが、現実には、まだ電気も水道もない生活を余儀なくされている人たちがたくさんいます」
ということも話題にした。

そして、その翌日。ふと女子学生の机の上を見ると、俺の配った資料写真が置いてある。そして、そのプリントを、彼女は国試勉強のための雑用紙として使っていた。人の机の上のものを勝手に見るのは悪いとは思ったが、見過ごせなかった。

彼女は医学部6年生である。まだ学生の立場であり、実習先の医師は、たとえ母校が違っても、例外なく全員が先輩だ。その先輩が時間をかけて用意したプリントを雑用紙に使う、のは良いとしても、せめて俺の目には触れないくらいの配慮はあってしかるべきだ。なんといっても、彼女の席は俺のすぐ隣なのだから。

百歩譲って、彼女が言う「働かない精神科医」である俺が作ったプリントなんて、ぞんざいに扱っても構わないし、雑用紙として活用する方が資源節約で良いとして、南三陸町のランドセルやピアノなどの写真を、雑用紙として使うのはどうだろう。それは、あまりに無神経じゃないだろうか。その無神経さで、いつか彼女は損をするだろうが、そんなこと別にどうでも良い。しかし、その無神経さは、いつか患者をひどく傷つける。

俺から注意すべきか否か。無神経さは、注意されたくらいでは直らないだろう。口うるさい人だなぁで終わるのが目に見えている。大学の後輩でもなく、精神科志望でもなく、むしろ精神科医を蔑んでいる、そんな彼女と関わって神経すり減らすくらいなら、放っておくのが自分にとっては一番良い。そう考えて放置した。

2 件のコメント:

  1. 止まらないk-32012年5月1日 23:46

    是正したいと強く思うけれども、多大なエネルギーを注ぎ込んでも虚しいだろうなと思えるパーソナリティーが重要な職種に就くであろうと想像できる事は相当なストレスですよね。

     性差別する気は毛頭ないのですが・・・・そういったパーソナリティーの持ち主に関しては、女性・・・立ち悪い方が多い印象あります。扱いにくさでも超一級なのでしょうね。彼女!

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    1. >止まらないk-3さん
      この学生の腹立たしさはぴか一でしたw 女性に多いというのはどうか分かりませんが、耳鼻科の先生と話していて原因の分からない喉のつかえ、「ヒステリーボール」というらしいですが、それを訴えるのは95%が女性ということでした。

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