神経内科にまつわる臨床ノンフィクション。著者のアラン・ロッパーは神経内科医で、マイケル・J・フォックスのパーキンソン病治療の主治医でもあった。
神経内科の臨床エッセイは、ハロルド・クローアンズ、オリヴァー・サックスの二人が素晴らしい本を書いている。中でもクローアンズ先生の本は最高に面白いが、あまり有名ではない。サックス先生のほうは文庫化されてロングセラーになっているものもある。きっと『レナードの朝』が映画化された影響が大きいのだろう。
神経内科というと取っつきにくいと思われるかもしれないが、医療専門書ではなく、あくまでも一般人向けのノンフィクションなので、そう心配はいらないはずだ。
パーキンソン病、ギラン・バレー症候群、ALS、解離性障害、詐病、脳梗塞や脳出血、認知症など、出てくる疾患はさまざまだ。そして、ポッパー先生のスタンスは「患者の話をよく聞きなさい。診断の手がかりはそこにある」。
値段は若干高いが、それに見合った内容と分量である。これが文庫化されたら絶対に「買い」なのだが……、そこまで本書が生き延びられるかどうか。絶版となって埋もれている医療系名著をよく見つけるので、本書がそうならないか心配。
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