キリスト教に入信している若い女性が、イースターやクリスマス、その他なんだかんだの行事に熱心に取り組んでいる。
そんな彼女が夫とケンカしたあげく、包丁を持ちだして夫と子どもを殺そうとしたという。幸いにも誰もケガはしなかったのだが、俺はとても疑問に思ったので彼女に聞いてみた。
「あなたが信じている宗教は、支えにはなりませんでしたか?」
「わたしが通っている教会には、牧師さまが月に1回しかいらっしゃらないので……」
「そうではなくて、宗教そのものは支えになりませんか?」
「週に1回は礼拝に行って気分を落ち着けるけれど、最近はその時にまだ小さな子どもが邪魔をするので、集中できなくて……」
俺はキリスト教に詳しくはないが、「父なる神がみていらっしゃる」というのが信仰の中心だと思っている。だから、牧師の話が月に1回だろうと毎日だろうと、礼拝が集中してできようとできまいと、「宗教による心の支え」には無関係だと考えている。宗教は信徒の日々の心のあり方を支えるもので、牧師の話や礼拝でストレスを癒すようなものではない、ということだ。それも含めて心の支えの一つではあるのかもしれないが、それだけだとマッサージ屋さんのようなものだ。
特定の信教を持たない俺だが、辛かったり迷ったり、あるいは嬉しかったり幸せを感じたり、そういう心が動いた時には亡くなった祖父のことを思い出す。そうすると、辛さは癒やされ、迷いは導かれる。嬉しさや幸せでは、育ててもらった感謝の気持ちが呼び起こされる。特別な宗教として名前をつけたり儀式を行なったりしなくても、「亡き人を想う」ということそのものが、俺にとっての「宗教による心の支え」になっている。
宗教問答とも言えないようなやり取りを通じて、宗教とは何だろうかと改めて考えた次第である。
2015年6月30日
ぼくたちも妊娠できますか?
ネットで素朴な疑問を募集し、それらをメールで専門家に尋ね、その答えを集めたコラムを一冊の本にしたもの。というわけで、ちょっとした隙間時間であっという間に読み終える軽い本。中学生か高校生が読むととても面白いかもしれない。
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読書
2015年6月29日
その女アレックス
俺は面白いと思った、が、Amazonレビュー(ネタバレ多い!)で指摘されていることも至極もっともである。ストーリーは素晴らしいのだから、作者は「ミステリの精密さ」にもっと気を回すべきだったのかもしれない。
ミステリ好きには堪えがたい難点が多いかもしれないが、それでも俺はこの小説を読んで大満足している。
ミステリ好きには堪えがたい難点が多いかもしれないが、それでも俺はこの小説を読んで大満足している。
2015年6月26日
「闇サイト殺人事件」死刑執行に日弁連会長が抗議声明を出したが、これはどう見ても悪手である
「闇サイト殺人事件」死刑執行 「再審請求準備中で極めて遺憾」日弁連会長が抗議声明
「神田死刑囚が控訴を取り下げたことについて、弁護人が無効だと主張」するのがよく分からない。
被告の利益のため? 本人が控訴を取り下げているのに? 本当は「被告の利益」ではなく、「あなた方の主張の利益」のために、本事件を利用しているのでは? そんな弁護士とはいったい何ぞや?
反対派の「死刑廃止を訴える」という大義はよく分かる。しかし、その大義のために、この事件のような「明らかに黒」である事例で、「冤罪事件」を持ち出すのはおかしい。というか、ここで袴田事件を引き合いに出すのは議論の持って行きかたとして悪手だろう。というのも、このことによって、上記した「あなた方の主張の利益のため」というのが透けて見えてくるからだ。
「そんなアホな」と失笑を買うのが関の山である。
被告の利益のため? 本人が控訴を取り下げているのに? 本当は「被告の利益」ではなく、「あなた方の主張の利益」のために、本事件を利用しているのでは? そんな弁護士とはいったい何ぞや?
反対派の「死刑廃止を訴える」という大義はよく分かる。しかし、その大義のために、この事件のような「明らかに黒」である事例で、「冤罪事件」を持ち出すのはおかしい。というか、ここで袴田事件を引き合いに出すのは議論の持って行きかたとして悪手だろう。というのも、このことによって、上記した「あなた方の主張の利益のため」というのが透けて見えてくるからだ。
「そんなアホな」と失笑を買うのが関の山である。
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2015年6月23日
まっとうな小説であるラノベ 『0能者ミナト<5>』
これでシリーズ5作目。ラノベではあるが、キャラ描写はしっかりしているし、ストーリーも飽きさせないし、怪異・妖怪と霊感ゼロの主人公・零能者ミナトとの戦いは面白い。このシリーズと出会ったことをきっかきにラノベにも手を出してみるようになったが、これ以降まともな小説だと思えるようなものはまだない。もうちょっと評価されて売れて良い本だと思う。
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読書
2015年6月19日
親子の愛の深さ切なさ難しさに、涙なくしては読めない、そして何度となく涙した 『ねじれた絆』
親子の愛の深さ切なさ難しさに、涙なくしては読めない、そして何度となく涙した。
家にいて一人で読書をする時には、時に涙をこぼすこともある。しかし、自宅以外で本を読んで泣くなんてことはない。まして診療の休憩時間に、診察室で読んで涙がこぼれるなんて……。
「いまスタッフが入ってきたらどうしよう……」
そんな状態になるほど、この本には泣かされた。
「我が子」という言葉について、涙を流しながらしみじみと考えさせられる一冊。
福山雅治主演の映画『そして父になる』の原作、というわけではないが、あの映画に胸打たれた人ならきっとこの本でも心が震えると思う。
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読書
2015年6月18日
性犯罪に巻き込まれそうになったら、少しでも何かされる前に大声を出せ
緊急事態で「意味のある」大声を出せるのは凄く大切だ。今どき、「キャーッ!」くらいの大声なら、手持ち花火をしていても出す人はたくさんいる。危機に際して、「助けて!」の一言が出るか出ないか、その差は大きい。
「火事だ!」と叫ぶほうが人が集まるから良いという話もあるが、ただでさえ「助けて!」と叫べないような人が、緊急場面で「火事だ」なんて嘘を大声で言えるはずがない。あれは非現実的である。
ところで、性犯罪に巻き込まれそうになった時、大声を出すのが相手が何か始める前か後かでは、効果がぜんぜん違う。加害者はたいてい緊張しており、何かする前に大声を出されると逃げ出す可能性が高い。しかし、少しでも何かやり始めた後だと、大声は加害者の攻撃心を増す(カッとならせる)と同時に、「声の発生源を潰さなくてはいけない」という思いを抱かせかねない。その結果、声の源である顔を殴る、口をふさぐ、首を絞めるなどで被害者が命を落とすことになる。
空振りでも良いから大声を出しなさい。できれば意味のある大声を。娘らにはそう指導していく予定である。
「火事だ!」と叫ぶほうが人が集まるから良いという話もあるが、ただでさえ「助けて!」と叫べないような人が、緊急場面で「火事だ」なんて嘘を大声で言えるはずがない。あれは非現実的である。
ところで、性犯罪に巻き込まれそうになった時、大声を出すのが相手が何か始める前か後かでは、効果がぜんぜん違う。加害者はたいてい緊張しており、何かする前に大声を出されると逃げ出す可能性が高い。しかし、少しでも何かやり始めた後だと、大声は加害者の攻撃心を増す(カッとならせる)と同時に、「声の発生源を潰さなくてはいけない」という思いを抱かせかねない。その結果、声の源である顔を殴る、口をふさぐ、首を絞めるなどで被害者が命を落とすことになる。
空振りでも良いから大声を出しなさい。できれば意味のある大声を。娘らにはそう指導していく予定である。
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雑記
2015年6月16日
2015年6月15日
宇宙に興味がなくても面白く、我が子が「鉄の熱いうちに」読ませたい 『宇宙創成』
難しいところもチラホラあったが、そんなことは大したマイナスにならない。現在日本で出版されているサイモン・シンの本は全て読んだはずだ。そして、いずれも我が子、あるいは甥や姪が高校や大学に入った時に強く勧めたい。こういう本を「鉄の熱いうち」に読めるのは凄く有意義なことだと思うし、羨ましい。
http://psichiatra.blogspot.com/2015/06/blog-post_15.html宇宙に興味がなくても面白く、我が子が「鉄の熱いうちに」読ませたい 『宇宙創成』
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読書
2015年6月12日
派手でもないのに惹きつけられる物語 『空也上人がいた』
あっという間に読み終えるが、たまにはこういう小説も良いかな、という感じで面白かった。著者はどちらかというと脚本家として有名なようで、だからテレビドラマを見ているような感覚で読み進めることができた。展開はそう派手ではないが、なぜか惹きつけられる感じのする小説だった。
27歳のヘルパーの草介と、彼に淡い恋心を抱く46歳の女性ケアマネの重光さん、そして彼女に不思議な欲望を覚える81歳の吉崎老人。それぞれの秘密が静かな日々の中でふと泡立ち、奇妙な恋が動き出す。
http://psichiatra.blogspot.com/2015/06/blog-post_12.html派手でもないのに惹きつけられる物語 『空也上人がいた』
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読書
2015年6月11日
きっと現実ってこんな感じ 『日暮らし』
『ぼんくら』の続編。江戸を舞台に、人情味と人間味のある同心・平四郎が主人公だが、探偵役は甥っ子の弓之助。前作に比べると、かなり深みが増したように思える。個人的には凄く好き。謎解きはアッと驚くようなものでもなかったけれど、やっぱり現実ってこんな感じなんだろうなぁ。
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読書
2015年6月9日
勇気とは習慣であり、実践であり、習得できる技能である。 『勇気の科学』
勇気とは習慣であり、実践であり、習得できる技能である。
これが本書の骨子である。
勇気を掘り下げて考察し、勇気を身につけるための細かい方法について語る。著者によると、勇気には「恐怖のコントロール」と「行動意志を高める」という二つのプロセスがある。また、勇気を高めるための第一歩は、「勇気を認める勇気」で、「自分にも勇気はある」と認識することが重要である。
内容は抵抗感なく受け容れられるものであった。語りは「ですます」調で、中身は読みやすく分量もそう多くない。ただ、分量のわりに値段やや高め。
http://psichiatra.blogspot.com/2015/06/blog-post_9.html勇気とは習慣であり、実践であり、習得できる技能である。 『勇気の科学』
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読書
2015年6月8日
エンプティー・チェア
2015年6月4日
脳の中の倫理
2015年6月2日
読ませるブログ
2015年6月1日
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